
この記事では、『ヘーゲルの名言』を厳選して紹介しています。
ヘーゲルの名言には「歴史は幸福の大地ではない。幸福の時代というものは、歴史の中では白紙のページにすぎない。」や「理性的に世界を見る者に対しては、世界もまた理性的な姿を見せる。関係は相互的である。」など、心に響く名言が多数あります。
ドイツ観念論哲学の代表者で、精神現象学とともに、論理・自然・精神の三部門からなる哲学体系を理念の弁証法的発展として提示した、ヘーゲルの名言をご堪能ください。
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目次
ヘーゲルはどんな人物?
名前:ヘーゲル(Georg Wilhelm Friedrich Hegel)
誕生:1770年
没年:1831年
国籍:ドイツ
職業:哲学者
名言:「歴史は幸福の大地ではない。幸福の時代というものは、歴史の中では白紙のページにすぎない。」「理性的に世界を見る者に対しては、世界もまた理性的な姿を見せる。関係は相互的である。」など
ヘーゲルはドイツの哲学者で、ドイツ観念論哲学の代表者です。
即自的な意識が他者との関わりの中で対自的に目覚め、他者との宥和(ゆうわ)によって高次の自己へと成長し、究極的に絶対知へ至る弁証法論理を示した『精神現象学』とともに、論理・自然・精神の三部門からなる哲学体系(エンチクロペティー)を、理念の弁証法的発展として提示しました。
ヘーゲルが構築した包括的な体系は、キリスト教の三位一体の思想をグノーシス的に思弁化しようとすると同時に、あらゆる学問を哲学のもとに統合する試みでもありました。
ヘーゲルの著作には「精神現象学」「論理学」「エンチクロペティー」「法の哲学」などがあります。
ヘーゲルの名言15選【心に響く名言|歴史・思想・弁証法心理学】
ここからは、ヘーゲルの名言を厳選して紹介していきます。
歴史は幸福の大地ではない。幸福の時代というものは、歴史の中では白紙のページにすぎない。
ヘーゲルの名言
ーHistory is not the soil of happiness. The periods of happiness are blank pages in it.
人生は、価値ある対象を持つときにのみ価値を持つ。
ヘーゲルの名言
ーLife has a value only when it has something valuable as its object.
理性的なものは現実的であり、現実的なものは理性的である。
ヘーゲルの名言
ーWhat is reasonable is real; that which is real is reasonable.
理性的に世界を見る者に対しては、世界もまた理性的な姿を見せる。関係は相互的である。
ヘーゲルの名言
ーTo him who looks upon the world rationally, the world in its turn presents a rational aspect. Relation is mutual.
世界において偉大なことは、情熱なしに成し遂げられたためしがないと、断言してよい。
ヘーゲルの名言
ーWe may affirm absolutely that nothing great in the World has been accomplished without passion.
限界を自覚するということは、すでにその限界を超えているということである。
ヘーゲルの名言
ーTo be aware of limitations is already to be beyond them.
人生においても科学においても、何か偉大で理性的なことを成し遂げるための第一の条件は、世論から独立していることである。
ヘーゲルの名言
ーTo be independent of public opinion is the first formal condition of achieving anything great or rational whether in life or in science.
人間は、理念として存在するために、自らに外的な自由の領域を与えなければならない。
ヘーゲルの名言
ーThe person must give himself an external sphere of freedom in order to have being as Idea.
あらゆる理念は一般化であり、一般化は思考の特性である。何かを一般化するということは、それを考えるということである。
ヘーゲルの名言
ーAny idea is a generalization, and generalization is a property of thinking. To generalize something means to think it.
哲学とは本質的に秘教的なものであり、大衆のために作られたものでも、大衆向けに整えられることもできない。
ヘーゲルの名言
ーPhilosophy is by its nature something esoteric, neither made for the mob nor capable of being prepared for the mob.
ミネルヴァの梟は、夕暮れが訪れて初めて飛び立つ。(=哲学は、出来事が終わったあとにのみ、それを理解する形で現れる。)
ヘーゲルの名言
ーThe owl of Minerva first begins her flight with the onset of dusk.
詩とは、自己の内において自由となった精神の普遍的な芸術であり、その実現が外的・感覚的な素材に縛られることのない芸術である。
ヘーゲルの名言
ーPoetry is the universal art of the spirit which has become free in itself and which is not tied down for its realization to external sensuous material.
経験と歴史が教えることはこれである──国家も政府も、歴史から何も学んだことがなく、そこから得られた教訓を実際に生かしたこともない。
ヘーゲルの名言
ーWhat experience and history teach is this — that nations and governments have never learned anything from history, or acted upon any lessons they might have drawn from it.
個人や国家、そして摂理に欠陥を見いだすことは、その真の意味や価値を理解するよりも容易である。
ヘーゲルの名言
ーIt is easier to discover a deficiency in individuals, in states, and in providence, than to see their real import or value.
神が第一の存在であるゆえに、関係を規定するのは神である。したがって、その関係の真理を知るためには、人は神を知らねばならない。
ヘーゲルの名言
ーSince God is the First, He determines the relation, and therefore in order to know what is the truth of the relation, man must know God.
ヘーゲルの本・関連書籍を紹介
ここからは、ヘーゲルのおすすめの本や関連書籍を紹介します。
ヘーゲルの本おすすめ①:精神現象学 (上・下)

精神現象学 上 (ちくま学芸文庫)

精神現象学 下 (ちくま学芸文庫)
『精神現象学』は、ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルが人間の意識の発展を弁証法的に描いた哲学的主著です。
感覚的確信から自己意識、理性、精神、そして絶対知へと至る過程を通じて、意識が自己と世界を統一的に理解するまでの運動を明らかにします。
主体と客体の対立を超える「自己意識の形成」が核心であり、人間精神の成熟の道を哲学的に描いた壮大な体系です。
本書は近代哲学の頂点をなす思想的巨編です。
ヘーゲルの本おすすめ②:法の哲学: 自然法と国家学の要綱 (上・下)

法の哲学: 自然法と国家学の要綱 ((上)) (岩波文庫 青 630-2)

法の哲学: 自然法と国家学の要綱 ((下)) (岩波文庫 青 630-3)
『法の哲学: 自然法と国家学の要綱』は、ヘーゲルが法・道徳・国家を体系的に論じた政治哲学の代表作です。
ヘーゲルは自由を法の本質と捉え、個人の主観的自由が家族、市民社会、国家の発展を通じて客観的自由へと実現される過程を描きました。
国家は自由の最高の具現であり、理性の現実化であると説きます。
この本は近代国家論と法哲学の基礎を築いた古典であり、自由の思想を体系的に示した名著です。
ヘーゲルの本おすすめ③:歴史哲学講義 (上・下)

歴史哲学講義 (上) (岩波文庫 青 629-9)

歴史哲学講義 下 (岩波文庫 青 630-0)
『歴史哲学講義』は、ヘーゲルが世界史を哲学的に解釈した講義録です。
ヘーゲルは歴史を「自由の発展の物語」と捉え、理性が歴史を導くという「理性の狡知」の思想を展開します。
各時代・民族は世界精神の発展段階として位置づけられ、最終的に自由を自覚する国家の形成へと至ると説かれます。
本書は、歴史を単なる出来事の連続ではなく、精神の自己実現として理解するヘーゲル哲学の精髄を示しています。
ヘーゲルの本おすすめ④:哲学史序論: 哲学と哲学史

哲学史序論: 哲学と哲学史 (岩波文庫 青 629-8)
『哲学史序論: 哲学と哲学史』は、ヘーゲルが哲学史を単なる過去の思想の記録ではなく、精神の自己発展の歴史として捉えた講義録です。
ヘーゲルによれば、哲学史は真理を探求する人間理性の歩みであり、各時代の哲学は絶対精神が自己を認識していく過程の一段階を示します。
古代ギリシアから近代に至る思想の展開を、内的必然性と理性の発展として体系的に解釈し、哲学と歴史の統一を明らかにしたヘーゲル哲学の重要な導入書です。
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